昨日から根来コミショナー回顧録が報知に掲載されています。
昨日・今日の要旨は次のとおりです。
①コミショナーとは、国の制度でいえば「プロ野球界の裁判官」
と理解していたが、就任後半年もたたないうちに私の理解と
マスコミを含め世間一般のそれとが大きく食い違っていると
知らされた。
②近鉄・オリックス統合問題。その後の西武堤オーナーによる
もう一つの統合発言と1リーグ制の爆弾発言。
その直後の一場問題での3球団巨人・横浜・阪神有力3オーナー
の退陣。
③ファンや世間一般の近鉄撤退反対と1リーグ合体大反対に
球界が腰が引け、もう一つの統合も起こらず選手会も反対。
労使対立の構図へ。
④ライブドアと楽天の参入表明。資産業績等経理専門家の助け
で楽天に軍配。
のちのち専門家の見立てが正しいことを思い知る。冷汗三斗。
コミッショナー批判・夢を語れ、指導力を発揮しろなど。
⑤球団統合や1リーグ問題は、まず連盟内で十分議論すべき
だった。両リーグ会長も見えないところでは努力したかもしれない
が目に見えた活動の証拠のないのは不可解。
渡辺前オーナーの「たかが選手が」の言葉のみ切り取り一部
マスコミが特定人への敵視政策のもと、あげつらったのは
ばかげたこと。
⑥少子化により04年の騒ぎが二度と起こらぬと誰も保証でき
ない。この騒ぎ通じ球界は理屈よりも感情の世界と知る。
⑦明るみに出た新人への利益供与。
⑧ウミは出すべき、全容公表の意見、他球団も同様の事を
おこなっているのではの主張も。
古い事を詮索し、いまの時世の考え方・理念で判断するのは
「愚」というもの。当然警察ではなく、組織内の事情聞き取りで
事実の確定は困難。
調査の権限なく、体制、方法、能力、結果への不服申し立て
方法が備わって、事実が明らかにできる。
種々不備なもとでの調査は対象者の人権を著しく損なう。
選手側が違うと争う手段もない。
他球団も含めウミを出せと言うのは、一般でも嫌疑を抱く
事柄がなければ捜査権の発動しないので、同意できない。
⑨例えば「希望枠は金銭が飛び交う温床。やめるべし」
の世間の意見は当然。
しかし、プロ野球組織内で同調の意見があるのは情けない
ことだ。また色々制限や厳しい罰則を設けないと実効しない
という意見も出る。
⑩球団関係者は「いかなるときも絶対違反しない」と主張する
自信がないのか?
⑪「金銭のやりとりが行われる恐れがあるからやめよう」という
のは自分の球団はしないが他球団はやるのではの危惧。
12球団内のことではないか、そんなに相互に不信感を抱いて
いるのかといいたい。
いかなる場合でも、そういう非違行為は絶対やらないという姿勢
をどうして示せないのか。
⑫楽天のTBS株所有は、どう考えても協約違反。
いまだ未解決。
フジテレビ子会社の横浜株保有は、協約違反には問えない。
⑬パウエル問題
6月まで出場停止は相手が外国人選手では通らない処分と
判断。根拠がなくNPBの選手でないパウエルに対し懲罰的に
受け付けないのは、もしパウエル選手側から損害賠償を
求められたらどうするのかの思いが先に立った。
⑭協約を時代の趨勢に合わせ全面的に改正の必要あり。
そのため野球組織をタイトでコアのあるものにしないといけない。
組織の改正を優先させた。
⑮巨人とドラフト制度
コミショナー就任時反巨人の者は、「読売・巨人の言いなりになるな」
球界改革は脱巨人だとの意見。
4年間で巨人が都合よく振舞っているというのは俗説にすぎないと
知った。
私は、アンチ巨人だがコミショナーとして逆らう手段もなく迎合する
こともありえない。
最近の巨人の意見は、むしろ少数派でとても「支配」に至らない。
かつて強力無比でその人気に依存し、巨人への「ご無理ごもっとも」
という姿勢が巨人支配の印象を与えたのではないか。
交流戦もその残滓だ。交流戦はオープン戦で完結すべきでセパの
リーグ戦優勝への加算は矛盾している。
⑯ドラフトについて
私は、希望枠廃止でも何らかの方法で新人選手に2,3の希望球団
を表明させ、希望しない球団に入ればFA短縮などがよいと考えて
いた。巨人の意見もこれに近い。
大多数の球団はこれに反対で完全ウエーバー制を支持。
取材も来ずに「職業選択の自由などといい完全ドラフト制の理念に
背を向ける一部球団やコミショナー代行は愚かな人々」と
スポーツジャーナリストという人が某新聞のコラムに決め付けた。
今時は、どの会社も入社する者の意向を十分に聞き取り処遇を
考える。
ウェーバーの基準の前年の成績も、優秀な選手がいながらケガ人
多く成績が悪かったり、監督・コーチのせいの場合、優勝しても
下り坂の選手ばかりのケースもある。
意見がまとまらないと承知だったから協議状況は全て公開し、どの
球団がどういう主張したか広く示した。
議論を公開すれば巨人支配の俗説を信じるものもいなくなるの
ではないかと考えた。
どの場面でも巨人の主張は「正論」と思われるところが多い。
しかし他の球団は概して反対又は消極的である。
渡辺淳一氏は、「ドラフト制反対」で「自分の行きたい球団の名前も
言えないのだから、意志のない羊の群れと同じである」
「強いのから弱いのまで個性があり、みなそれに自分の思いを託し
懸命に応援していた。
今のようにチームの戦力が均衡し五分五分では、みな同じで
個性がなく、気持ちのいれようがない」
⑰戦力均衡より、資本力の差を少しでも埋めるべき。
そのような財務的、経済的な話になると各球団は途端に
冷淡になる。
例としてクライマックスシリーズの利益は2位と1位に片寄せだが
下位球団にも分与する。
交流戦をオープン戦で完結させ利益を12球団で分けるなど。
ドラフト制度になると「戦力均衡」が幅を利かすが、戦力均衡の
基盤となる財務の均衡をはかる。
⑱NPBは、日本シリーズ、オールスターを除いて事業主体でなく
2連盟と12球団の連絡会議にすぎない。
コミッショナーには権限も表決権もなく意見を述べるにすぎない。
オーナー会議と実行委員会の二重構造もある。
そこでこの際協約を改正し
裁判官的立場にすぎないコミッショナーをCEOに据え両会議で
審議決定されたことをコミッショナー事務局員を指揮監督して
執行する責任を有したいと考えている。
⑲オーナー会議には最高議決機関とし、中長期的問題を協議。
例えば、アジアの野球をどうするか、有力選手の国外流出を
どうするかなど。
実行委員会は、その結果に応じ具体的な方策を考える。
実行委員会で審議決定したことは全てオーナー会議に上げ
再審議すべきものは差し戻す仕組みを考慮すべき。
両会議の地位を明確にし、コミッショナーをその中心に据え
運営と意見聴取、取りまとめをすべきとしたい。
要するに、コアを欠く組織の中心にコミッショナーを置き
「百家争鳴」の会議を迅速にまとめる役を期待。
コミッショナーの権限を司法→行政にする。
司法は「調査委員会」を設置し、その答申を受け制裁等を科する
仕組みとしたい。
コミッショナーの権限強化ではない。
決定事項の忠実な執行であり独裁・独走を許すものではない。
セパとNPB事務局を統合し経費効率化をすべし。
現状は非効率で人員も重複し財政事情も極めて厳しい。
私がプロ野球と関係がなくなるこのときが絶好の機会。
(一花コメント)
明日以降も連載が続きますが、さすが公正取引委員長の
回顧録です。
公共中立の長は、動けば世論は喜ぶでしょうが反面大きな
リスクを抱えると思います。
だから普通は何もしないのが有能とも言われます。
そういう意味で、組織改正から始めたのが有効かどうか
後々結果は現れるんでしょう。
コミッショナーのリーダーシップを期待する人もいますが
それでは個人依存の体制になってしまう。
万一間違った方向に独走しだした時防波堤がない。
だからコミッショーナーは、お飾り的だったんでしょう。
しかし国際競争もあり、また赤字球団問題もいずれ再燃します。
球団に母体企業がどれだけのレベルの人材を投入しているか
それは、根来氏の回顧を読めば明白でしょう。
全体の長期的な展望を考える組織に改革される事を期待したい
ですね。
最近のコメント